−ミチルさんと隼人君の3分劇場 TAKE.1−
「小学2年生の時にね、近所のガキ大将にイジメられて、よく泣かされたのよ。」
子供の頃の話になって、ああそういえば、とミチルは話した。
「どんな風に?」
とは、隼人君。
「ひどいのよ。それが。
カエルやトカゲを突きつけて追いかけられたり、靴を隠されたりしたわね。
私もあの頃は、すぐメソメソしちゃって、かえって面白がらせちゃったのかもしれないんだけれども。
でもね。学校で隣に座ってた男の子が、いつも助けてくれてね。」
「なるほど。でも、ケガとかはさせられなかったんじゃないのか?」
「うん。そういうのはなかったわね。
でね、2学期に入って、助けてくれてた男の子が転校してしまったの。
すごく悲しかったわ。」
「ふーん。そのナイト君が転校してから、そういうの割と納まってなかったか?」
「うーん。そうだったかも。よくわかるわね。隼人君。
まさかあなた、いじめっこだったんじゃないでしょうね。(十分有り得るわ)
それで、ある日このままやられっぱなしはイヤって思ってね。戦うことに決めたのよ。」
「それは勇ましいな。」
腕を組んで、にやにやしている隼人。楽しそうである。
「ハ ヤ ト クン。ちゃかさないでよ。
今でも覚えてるけど、あたし必死でその体も大きい男の子にかかっていったのよ。
そしたら、その子、ごめん。悪かったって。
次の日、お家からお菓子とか持って来て、やるよって差し出すのよ。
あたし絶対に受けとらなかったわ。なんか悔しかったのね。
物で態度を変えるって思われるのもイヤで。」
「そりゃあ、その子もさぞやショックだっただろうよ。同情するよ。」
やれやれ、といった表情の隼人。
「え?」
「君は子供の頃から、そういう所は変わらないんだなあ。」
「??何よ。どういう意味?」
「俺の口からは、ちょっと言えねえな。」
「そこまで振っておいて、ズルイわよ。気になるじゃない。」
「そんなに知りたいか?」
「ええ。すごく知りたい。」
「じゃあ、後で、元気君にでも聞けばいいさ。今の話をしたら、きっと教えてくれると思うぜ。」
「元気に?」
(弟に教えてもらうなんて、姉の沽券にかかわるかしら。そうだ。弁慶君にそれとなく聞いてみよう。
精神レベル似てそうだし・・・・。)
「言っとくけど弁慶には聞かねえほうがいいぞ。話がややこしくなる。」
うっ 釘をさされてしまった。
もうっ なんか悔しい。ミチルはふくれた。
(きっと、隼人君の子供の頃だって、からかえるエピソードがあるはずだわ。今度お姉さんに聞いて
みよう。見てらっしゃい。隼人君。)
彼女は負けず嫌いであった。つーんとした顔はもう戦闘態勢に入っていた。
(おっと。ミチルさんの機嫌を損ねちまった。ちょっとからかいすぎたな。
さて、どうやって機嫌を取るか。こんなんで嫌われたら元も子もないからなあ。
その前に姉さんに口止めでもしておくか。)
好きな女の子にちょっかいをかけたい気持ちに歳は関係ないということか。
チャンチャン。
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シフ子様からいただきました!!
ミチルさん大好きハヤトです。
キャー、かわいいじゃありませんか!!
うちのハヤトももう少し、素直になってくれるといいんですがね!(笑)
シフ子様、ありがとうございます!!
(2009.12.15)