第２回 地球にて パリ
ケイ ： 「明日香姉さま！！」
明日香 ： 「いらっしゃい、ケイ。元気そうね。嬉しいわ。」
ケイ ： 「明日香姉さまも！」
ゴウ ： 「ご無沙汰しています、明日香さん。」
明日香 ： 「堅苦しい挨拶は要らないわ、ゴウ。遠いところを来てくれてありがとう。嬉しいわ。」
ゴウ ： 「は、はい。俺、いえ、僕も嬉しいです・・・」
ケイ ： 「あ、ゴウったら『僕』って！姉さまの前だからって、カッコつけすぎ！！」
ゴウ ： 「ケイ！！」
明日香 ： 「ふふふ。気楽にしてちょうだいな。さあ、こちらでお茶を頂きましょう。」
香りの良いお茶が、白磁のティーポットからカップに注がれる。
ケイ ： 「う〜〜ん、いい香り・・・・・・お茶も良いものなんだろうけど、やっぱり淹れ方なんですよね！素敵だなあ・・・」
明日香 ： 「あら、ミチルさんもお茶を淹れるのが上手だったわよ。隼人がコーヒーの方が好きだったので、研究所ではあまり淹れなかったみたいだけど。」
ケイ ： 「そうなんですか！」
明日香 ： 「ええ。だから此処に来た時はよく淹れてくれたわ。わざわざバラのお茶も持ってきてくれたのよ。」
ケイ ： 「あ、バラって、もしかして別荘にある・・・・」
明日香 ： 「たぶん、そうじゃないかしら。以前はミチルさんの家、早乙女家の庭に咲いてたのだけど。」
ケイ ： 「ああ・・・・・・・・」
今は跡形もない家。
ケイ ： 「・・・・私、何も覚えていないから・・・・・・・いくら小さかったちはいえ、もっとしっかり覚えておけば・・・・・・・」
ゴウ ： 「ケイ！自分を責めては駄目だ。これから思い出を作っていけばいいんだ。」
ケイ ： 「ゴウ・・・・・・」
明日香 ： 「ゴウの言う通りよ、ケイ。それにね、今日は貴女に素敵なものを見せてあげようと思って。」
ケイ ： 「え？何ですか？」
明日香 ： 「小さいころの貴女とミチルさんの映像よ。隼人がパリでの会議の時、私に見せてくれたの、『世界で最高の妹達』を。
ミチルさんは一緒に来ていたけど、貴女は付いてこられないですものね。早乙女家の中で撮ったものもあるし、庭や研究所も映っているわ。」
ケイ・ゴウ ： 「「ほんとですか！？」」
幸せな世界だった。
どの映像を見ても、自分は幸せそうだった。笑って、拗ねて、泣いて。そこにはいつも傍らに優しい微笑があった。
自分はどんなときも、慈しまれて守られて。
ケイの目から知らず涙が溢れていた。
ケイ ： 「や、ヤダな。なんでこんなに・・・・」
照れくさくて乱暴にゴシゴシ目を擦りながらふと隣を見ると。
静かに涙を流し続けているゴウが。
ケイ ： 「 ゴウ・・・・・・・」
黙ったままじっと映像を見続けるふたりを、明日香はそっと見守っていた。
ケイ ： 「姉さま。隼人さんの映っているのってないんですか？これには映ってなかったけれど。」
明日香： 「あの子はあまりこういうの好きじゃなかったから。でも、見たことないのかしら、山咲さんに渡したけれど。」
ケイ ： 「山咲さんに？いえ、一度も。」
明日香： 「あら、そうなの。山咲さんが是非欲しいっていうから、私の持っていたのを渡したの。あとは日本の父のところにしかないのよ。
そうだわ、今度父の家にも寄ってあげて。きっと喜ぶわ！」
ケイ ： 「あ、あの・・・・・・」
厳格な大造は、ケイにはちょっと苦手だった。
ゴウ ： 「はい、お邪魔でなければ是非。」
対してゴウは、かなり懐いている。
明日香 ：「邪魔なわけないでしょう。大喜びよ。絶対寄ってあげてね。」
日々があのまま過ぎていたら・・・・・・・・とは考えない。今ここに、私には世界最高の妹達がいるのだから。
ねぇ、隼人。貴方も良い弟よ。
☆
敷島 ； 「この武器を試したいんじゃがな。使う方も結構ダメージが出るんで、その詳しいデータも欲しい。」
山咲 ： 「・・・・・・・これは流さん達にしか出来ませんね。ちょっとゴネられると思いますが、わかりました。」
敷島 ： 「頼むぞ。データ結果が楽しみじゃ。」
ふぇっふｌっぇふぇっと笑う。
山咲 ： 「博士、一つお願いがあるのですけど。」
敷島 ： 「うん、なんじゃ。言うてみい。」
山咲 ： 「このメモリ、地球のものなんですけど、こちらの機械に合うように移していただきたいのです。」
持って来たんかい！！
---------*-----------*---------*---------
ゑゐり様より 「地球に残った明日香姉さま どうしてるかな。」
議題（？）ありがとうございます！
（２０１２．７．５）